ITpro Expo2008に行ってきた その1 吉岡さん×小野さん
11時からミラクルリナックスの吉岡弘隆さんと、アプレッソの小野和俊さんの対談。
事前予約が必要と知らなかったので開始間際の入場だったけど、ラッキーなことに最前列の席が空いていたので座る。
対談形式で行われたけど、それぞれの発言で響いたところ。
吉岡さん
- 人生を変えたのはNetscapeのオープンソース化。
- 自分はこれなら人に負けない、という武器を持て。
- プログラマで危険なのは、オラクルやら(ちょっと笑った)マイクロソフトやらの資格をたくさん持つこと。
- 人脈を作る基本は、実際に会うこと。ネットはその幅を広げるツール。ネットでいかに遊ぶかをずっと考えていた。
- 自分が作ったものをネットに公開することが最強の名刺
- 発言しないと誰にも伝わらない。発言すれば、「未来のいつか」、ネットの向こう側で3人くらいには届くかもしれない。それでいい。
- 自分が思うことを正直に書く。
- 採用面接しているときに志望者から「吉岡さんのブログ読んでます」と言われると心に刺さる。面接に行くときは会社のブログを読んで臨んで、実際にそのブログを書いている人に会わせてもらうこと。そしてブログを読んで共感したことを伝える。
- 10年前にNetscapeがオープンソース化されたときに「Mozillaの解剖」というWebページを作った。今年Netscapeのサポートが終了するというので、記念の集まりがあって顔をだしたら、「10年前に『Mozillaの解剖』読んでました!」という人に会った。10年前に作ったものを、どこかで誰かが読んでいて、そして10年たった今その人たちと出会って同じ話題で盛り上がれるのは、ネットが起こした奇跡だ。
- 私と同じ年代の人たちに、ぜひ自分の経験や、どんな壁にぶつかったか、そしてそれをどう乗り越えたかをネットで発信してほしい。僕はそのストーリーを聞きたい。そして、いつかきっと、それを必要とする誰かが発見する。
小野さん
- 徹夜しなければいけないときは、実は余計なこともたくさんしていて、ワーカホリック状態になっていることが多い。
- シリコンバレーに行きたくて、サンマイクロシステムズに入社した。日本とはまったく違うシリコンバレーの開発スタイルに触れてとても楽しかったが、日本で個人投資家に「出資するから起業しないか」と言われた。シリコンバレーで社員として働くのは「保守的」(!)だと思ったので、日本で起業することにした。
- 起業するときに、失敗したらどうしよう、と考えたこともあった。でも、自分は失うものは何もない、失敗したらまた就職するなり起業するなりすればいい、と思ったら怖くなくなった。今も、もし新しい会社立ち上げることになっても怖いと思わない。
- ラストマン戦略のお話。自分がやっていることで、身の回りの3人の中で1番になる。次は、社内で1番になる。次は、日本で1番になる。そうやって、「自分が1番」といえる範囲を広くしていく。
- 資格とは、「同じ資格を持っている人と交換可能ですよ」という印にすぎない。
- どういう人とコミュニケーションするかが大事。起業することが普通、という人たちと付き合っていたので、自分も起業した。
- twitterで12月28日に飲み会を招集した。全員知らない人10人が集まった。アノニマス飲み会。そのうちの1人がアプレッソに入社を希望して、今日面接をしている。
- ネットは、人とつながるまでのパスが短い。今までだったら絶対届かなかった人に届く。
- 「自分はこの程度だから」とか考えずに、自分が興味を持った人に、その人が興味を持ちそうなことを投げかけてみる。
- 情報を集める最良の方法は情報を出すこと。
超圧縮すると、
「この分野については、この組織(範囲)の中では誰にも負けない」という武器を作れ。それを足がかりに自分が1番と言える範囲を広げろ。そしてそれをブログに書いて公開しろ。
ということか。
吉岡さんの「そして、いつかきっと、それを必要とする誰かが発見する。」のくだりを聞いて、なぜか少し涙がでてきた。