「THE END OF THE WORLD」槇原敬之

槇原敬之の「UNDERWEAR」というアルバムを持っている。
96年の発売からそう時間がたっていないときに買ったはずなので、もう10年くらいそのアルバムを聴いていることになる。

その中に、「THE END OF THE WORLD」という曲がある。
こんな歌詞。
http://www.uta-net.com/user/phplib/view_1.php?ID=43716
好きな曲だったけど、あまり深く歌詞を考えたことはなくて、「世の中とちょっとうまくやっていけない2人の恋愛話」だと思っていた。

僕は一人で部屋にいるときにiPodで音楽を聴きながら歌を歌うという趣味があって、昨日も出社前にこの曲を歌っていた。
そして10年間聴いても気づかなかったことに、初めて気がついた。

「僕と彼女の幸せを君にあげたとしてもやっぱり幸せのかけらは幸せのようなもの」
という歌詞がでてくる。

「僕」と、「彼女」と、「君」。
登場人物は2人だと思ってたのに、3人いる!

この曲は「僕」と「君」の恋愛話じゃなくて、「彼女」がいるのに「君」と浮気している「僕」の話だった。
そう思って歌詞を読み直すと、最初から最後まで「道ならぬ恋」を表すものばっかり。

「行いが悪かったかな」
「気にしないよ」
「わざと明るく笑って見せた」
「ひとりぼっちよりだれかを待つほうがいい」
「足りない物持ち寄っただけのできそこないの恋」
「見栄えが悪い」
「誰にも見守られない」
「待ち合わせの場所まで傘で隠す」
「ちょっと見たら普通の恋人同士」
「逃げ切れたような気分」
「ちょうど良い明るさも手に入れられない」
「世界の終わり」
「間に合わせのぬくもり」
「ダメになる」
「誰にも聞こえないように息をひそめて好きと言う」
「どんな言葉を返せばいいのかわからないまま抱きしめる」
そして、とどめの
「僕と彼女の幸せを…」

浮気にまつわる要素をジグソーパズルのようにきっちり歌詞に詰め込む槇原敬之の作詞力と、それに10年間気がつかない自分の鈍感さのギャップにあきれてしまった。

それにしても、重い曲だこと。