羽田空港へ

昼過ぎに、「そうだ、羽田空港行こう」と思った。何の用もないけど自転車で。

ふと思い立って羽田空港までのルートをMapfanで調べた。「環七ずっと南に下って平和島まで行ったらすぐそこだな。16.8キロだから1時間ちょっとで着くなー」と軽い気持ちで出発したのが15時20分。

環七の歩道は広いし路面も滑らかなところが多いし行きは下り坂が多かった。「羽田空港に着いたらカレー食べよう」とかのんきなこと考えながら順調に飛ばして16時20分に平和島に到達。
もうすぐ平和島

巨大な倉庫群が姿を表して、離陸する飛行機も見えてきて、空港っぽくなってきた!と盛り上がったが、ここから思惑が外れ始める。

平和島まで来たら「羽田空港はこちら」みたいな指示看板があると思ってたのに全然ない。
携帯ナビで検索したら「あと10キロ」とか表示されて「そんなはずないだろう」と頭が混乱し始める。

携帯ナビを信じきれないままふらふらと住宅街を進む。そのうち日が暮れてきた。

羽田までお金は使わないつもりだったけど、寒くなってきたのでファミマに寄ってコロッケとスポーツドリンクを買う。一口飲むと、水分と糖分が体中に染み渡っていくのを感じて想像以上に疲れていることを知らされる。

コロッケを食べて気持ちを落ち着かせた。このまま引き返そうかと一瞬思ったけど、携帯ナビに素直に従ってもう一度空港を目指すことにする。

携帯ナビの音声ガイドを初めて使った。予想外に使えた。自転車に乗っていると携帯の画面が確認できないけど、音声ガイドのおかげでいちいち立ち止まって手袋を外して携帯を開いて画面を確認する手間が省けて助かった。あとは携帯用のイヤホンがあれば最強だった。

17時に天空橋駅を通過。いよいよ空港が見えてきた。「羽田空港ターミナルビルこちら」の看板も出現して安心する。が、直後に「この先歩行者自転車通行止め」の看板が現れる。まだ歩道は続いているので、行けるところまで行くことにする。
もうすぐ通行止め

えらくきれいに舗装された歩道だったので、ひょっとしたら空港まで続いてるんじゃないかと淡い期待を抱いたのも束の間、再度「歩行者自転車通行止め」の看板が現れて、歩道がなくなってしまった。
ほんとに通行止め

携帯でターミナルビルの電話番号を調べて、最後の望みをかけて「羽田空港って徒歩で行けますか?」と聞いた。「歩行者用の道路はございません」との答え。
終了。
中央分離帯に歩道らしきものが見えたので、強行突破すればなんとかなったかもしれないけど、ルールを守って今日は大人しく帰ることにする。

振り返ると、見慣れない大きな空に夕焼けのグラデーションが広がっていた。遠くに富士山も見えた。
ま、これが見れたんだからいいか、と思った。
遠くに富士山

と、ここで話が終わればいいのだけど、そうは行かない。往路があれば復路もある。しかも帰りは登り坂が多い。結局今日だけで40キロ以上走って尻が痛くなってしまったのだった。
おしまい。

と思ったら羽田空港から徒歩で脱出した人を発見。
http://blog.so-net.ne.jp/ctec2/2006-09-22-1

次回リベンジしてやる。